スポーツ観戦

 世の中には様々なスポーツがある。野球、サッカー、バレーボール…。そしてスポーツがあるところには当然それを応援するファンが存在する。おそらくこれは三世紀にローマ帝国のコロッセウムで見世物が行われていた時代から変わらないことであろう。人間はみな「パンとサーカス」をいつの時代も求めている。

 かくなる自分もその「パンとサーカス」を求めている一員である。スポーツを観戦し、応援し、結果に一喜一憂するのが楽しみだった。なにかつらいことがあってもスポーツを観れば忘れることができた。

 過去形で書いているということはそういうことである。最近スポーツを観戦することがストレスになってきたのである、いや正確に言えば贔屓が負けるのがストレスになっているのである。全勝するチームがあるわけがないのだから必ずどこかで負けるに決まっているのだ。それを受け入れることができない自分がいる。こんな状態でスポーツ観戦なんてできるものではないというかしてはいけないだろう。

 自分ができないことを相手に求めることは常識的に考えてタブーであるはずだ。でも相手が自分の手に届かないものだとそのような思考になってしまうのだろうか。そのようなことがあっていいはずがないだろう。このような気持ちの二面性というものは自分だけのものなのかそれとももともと人間に内在しているものなのか。